乃木坂文庫が企画としてイマイチすぎたので、オタク目線で改善策を提案させて頂いたの巻

創刊46周年を迎えた講談社文庫が「46」という数字の縁から、「乃木坂46」と「乃木坂文庫」なるコラボフェアを現在開催しているようです。


40周年でもなければ45周年でもない。普通は絶対に祝わないだろう「46周年」をあえて打ち出してくるところに、「お金になりそうなら積極的に記念していく」という講談社の姿勢が伺えます。出版業界から引っ張りだこの乃木坂とのコラボは手堅く押さえておきたいもの。

そんな講談社と乃木坂の繋がりと言えば、今世紀最大のヒットと言われている白石麻衣さんのソロ写真集「パスポート」があります。

 

 

こちらは現時点で24万部を突破、他を圧倒する売上を誇っており、写真集界に一大旋風を巻き起こしました。これは講談社的としても「でかい一山」を当てたのではないでしょうか。

「乃木坂が絡むと金が生まれる」を実感した講談社が、新しい鉱山発掘のため「たまたま講談社文庫も46周年だった」のを上手くコラボに繋げていったと邪推できる今回の「乃木坂文庫フェア」ですが、
「乃木坂メンバー1人1人を46作品のカバーに一人ずつ飾らせる」という企画は斬新でめちゃくちゃ良いと思いました。ありそうでまだやってないからオタクの食い付きもいいし、何より46人もかわいい子が並んだ乃木坂文庫本コーナーのインパクトはとてつもなくデカイ!

 

 

本屋に入ったら嫌でも人目を惹く作りですから、一般の人に「乃木坂46」の存在を刷り込むには良い広告塔になると思いました。(嫌な言い方)

 

このように企画の発想自体はとても素晴らしい「乃木坂文庫フェア」ですが、いざ中身を見てみるとなんだかあと一つ足りない、惜しい感が否めません。乃木坂文庫フェアを調べているうちに「求めてるのはこれじゃないんだな!」と熱きオタク魂が騒ぎ出したので、ここはひとつオタク目線で「乃木坂文庫フェア」の改善点を挙げさせていただきましょう。

 

①表紙を飾る文庫本はメンバーが自分で選ぶ

まず驚いたのが、各メンバーが表紙を担当している文庫本は本人が選んだものではないということ。本人の推薦本ではないのです。
つまりその本に対する思い入れはゼロなのです。
それって、ただ表紙飾ってるだけでは…?

ダ・ヴィンチ2017年10月号は乃木坂メンバー各々が本(マンガ)を手にしてる表紙でしたが、それぞれが手に取っている本は、メンバー本人が自分で選んだ本。

 

 

それだけではなく、本誌ではその本の魅力もメンバーが語ってくれており、セレクトした本を通じてどんな系統の本が好きなのかが分かるようになってました。
ちなみに我が推しの桜井玲香さんは蒼井ブルーさんの「僕の隣で勝手に幸せになってください」をチョイス。
Twitter界で人気がある人物のツイートを集めた本を選んだのが、今どきでなんだか凄く意外でしたけど、「玲香ちゃんって自己啓発的な本好きなんだなあ」と新たな一面も少し知れました。

 

このようにメンバーが選んだ本なら、その文庫本がどんな本なのか俄然興味も出ますが、そうでないならただの文庫本であり、そこに乃木坂の意味はないのです。

 

②推薦文を載せる

まあ、そうは言っても今回の企画はあくまで文庫本の売上を上げることが目的でしょうから、講談社側だって売り出したい本があるでしょう。
それに乃木坂メンバーの好きな本が講談社から発行されていないという問題も想定できます。ダ・ヴィンチのように好きな本を選ばせるのは現実問題として難しいかもしれません。なので、百歩譲って「メンバーが選んだ本」から「用意された本」に有り難みが急降下したとしても、私のような察しの良いオタクは「まあまあ、それは仕方ないよね」と広い心で受け止めましょう。

しかし!だとしてもね!
せめてメンバーからの推薦文を載せるべきじゃあないでしょうか!

「自分の担当した本を読んでどう思ったか、このシーンが良かった」などの本の感想や、「こんな人に読んで欲しい・こんな状況の人にオススメです」のようなメンバーからの紹介文。
このようなメンバーからのコメントを「乃木坂文庫フェア」特設サイトがせっかくあるのだから、サイトに掲載するべきなんですよ。

メンバーからのコメントを見て「この本を読んで〇〇ちゃんはこんな事思ったんだ!自分も同じ想いを共有したいな〜(デュフフ)」
とか「読んだ感想を握手会で言ってみよう、〇〇はなんて言うかな?」とかオタク心に火がつくのです。

それがホームページを見ても「どのメンバーがどの文庫本を担当するかはお楽しみに!」しか載ってなかったら、全然燃えねえ!
オタクの購買意欲も絶望的な弱火のまま!

 

どのメンバーがどの文庫本の表紙を飾るかはお楽しみに?!

そんな情報は今時ネットで調べれば一瞬で分かってしまいます。そもそも買って欲しいならどの本を扱ってるかくらい載せるべきで、そこを隠す意味が全然分かりません。
仮に本屋まで行き、推しメンがどの本を担当したか分かったとしても果たして表紙を飾っているというだけで買おうと思うのでしょうか。

できれば、こちら側としてはコラボと銘打つのなら巻末にメンバーからの寄稿を載せて欲しいくらいなのです。そのレベルを我々は求めているのです。推しメンの読書感想文的なのが載ってたら間違いなく買いますもん。
それが難しいならせめてサイトに推薦文を載せるくらいはするべきなんだよなあ。

 

 〈特に有益な情報が得られないサイトはこちらから↓〉

kodanshabunko.com

 

③オタクはストーリーを愛している

なぜ、ここまで「メンバーが選んだ!」や「メンバーからのコメント!」が大事だと思うのか。
それはこちら↓の記事でも書きましたが、
乃木坂46のようなアイドルのファンはストーリーを大切にしていると思うからです。

www.nogizaka46peter.com

 

自分の好きなメンバーが「こんな思いを持って選んだ」というストーリー。
この本に「こんな感想を持っている」というストーリー。
そういうストーリーを求めてるのに、思い入れもなければメンバーからのコメントすらもなかったら、それは只々の「よく知らない本」です。

発売当初、インフルエンザwwww
と野次られた「インフルエンサー」の歌詞に「ファン心理」をよく表した詞があります。
こちらを参考にすれば今回の企画はもう少しマシになったはず。

 

その他の誰かなんて
全然 興味ないけど(なぜだか)
君が何を考えてるか
知りたくてしょうがない(振り回されてる)

ミュージックやファッションとか
映画や小説とか(何でも)
お気に入りのもの 手にすれば
時間を共有できるんだ

 

こんな堂々とやすすが「オタクが求めてるもの」を的確に書いてくれてるじゃないか!
講談社やり直してこい!

 

④乃木坂は今や「金の成る木」であり、「インフルエンサー」である

今をときめく乃木坂だからそれでも「乃木坂文庫フェア」は注目されますが、どうせやるならもう少しやり方があったよなと思わずにいられません。

「白石麻衣の写真集売れたな〜また乃木坂とタグ組んだら儲かりそうだな」
「そういえば講談社文庫、今年で46年目ですよね」
「それ使えそうだな。"46"とかけて、文庫本で乃木坂とコラボしよう」
「でも秋の文庫フェアまで色々準備する時間がありませんね。とりあえず表紙だけ乃木坂飾らせておけばいいですかね?」

的な見切り発車で始まった感がなんとなく想像できてしまう!少なくとも本気の仕事じゃない!

 


出版業界は電子媒体の発展などにより不況で苦しい状況が長く続いています。出版業界は斜陽産業なのです。

そんな出版業界において「文庫本を読まない若い世代」「インフルエンサーである乃木坂」を起用するというのは、新たな力を取り込む貴重な機会だったのではないかと思うのです。これが文庫本に興味を持つきっかけになるかもしれない。
だからこそ、もう少し身を入れて「文庫本に触れない層」が興味を持って買いたくなるような企画に出来なかったのかなあと思わずにいられません。

 

表紙ひとつ取っても、もっと本の中身と関係があり、表紙を見ただけで惹かれるような写真が撮れたはずです。

 

 

本の中身がバラバラなのに、表紙だけは全員一緒の写り方は創造力がまるで掻き立てられず、妄想が大好きなオタクとしては楽しめません。

 表紙買いしか魅力がないんだったら写真はせめて凝って欲しいよね…

 

散々言いたいことを言ってしまいましたが、それはこの「乃木坂文庫」がそれほど面白くできる余地があったということ。
今回のみで終わらずまた次回もコラボがあることを期待して、進化した「乃木坂文庫」をファン一同お待ちしております。

 

 

 

まあ、なんだかんだ言って玲香ちゃん表紙の 「ヘヴン」は買うんですけどね。
これだからオタクは舐められる!(完)